直立する自転車たち。
今回は風と自転車にまつわる不思議なお話をしたいと思います。
以前、東京のアパートに住んでいた頃。
アパート前に自転車置き場があり、そこにはマイ自転車を含む20台ほどの自転車がずらーっと置かれていました。
自転車置き場は屋根はついているものの壁はなく、吹きっさらしです。
当然、台風の時など横殴りの雨や強風が直撃します。
でもどういうわけか自転車が倒れることはなく、結局そのアパートに住んでいた20年間、一度も転倒している自転車を見ませんでした。
いつしか私は
「へ〜、自転車って風で倒れないものなんだ。だってどんなに強い風が吹いてもびくともしないもの。だって自転車はスケルトンだもの。」という
「自転車はスケルトン形態だから強風でも微動だにしない理論」を採用するまでにいたっていました。
その後、千葉県野田市にある集合住宅に引っ越し、衝撃を受けることになります。
だって
ちょっとした風で簡単に倒れる。強風だとドミノ倒し。引っ越し当初は毎日のように強風だったので、もう毎日がドミノ倒し。
大げさではなく、強風の翌朝、倒れてない自転車が1台もないことが珍しくありません。
集合住宅内に3箇所あった自転車置き場はもれなく地獄のドミノ会場と化していました。
自転車置き場のつくりは東京の時と同じだというのに‥
「自転車って風で倒れるものだったんだ。まあそりゃそうだよネ。」
と認識を新たにする頃にはマイ自転車はひどい有様になっていました。
転倒の衝撃でカゴが変形、全体の形が歪み走行中キーキーと悲しい音をたてるようになり修理に出すも、修理後すぐの強風で今度はライトが破損。
引っ越し後、夫用に購入した新品の自転車も同様。もう満身創痍。
て、
やってられるかあ〜(怒)!!
自転車を風のこない場所に移動したいところですが、集合住宅の規則で自転車置き場以外の場所には駐輪できないことになっています。
我が集合住宅の住民たちはみんな規則を守っていました。
さすがにこれはどうにかしてもらいたいと、引っ越し後半年たった頃、私は担当の不動産窓口に電話をかけました。
困っている現状を説明し「強風のたびに自転車が破損しないように何かしらの対処をしていただけないでしょうか?」と訴えたところ
「すみません。当不動産の管理区域内にある他の集合住宅の住民からも同様のクレームがきているんですが‥‥今のところ対処は難しいです。」という返事。
なにおう〜日本語おかしいだろ。この大和リビングめ!と思ったものの、担当者も上司との板挟みで辛い立場なのかもしれないな‥‥などと勝手に状況を飲み込んだこともあり、一応「分かりました。」と言って電話をきりました。
納得したわけじゃありませんが、電話口でごねていても話が先に進まないと感じたのです。
「よし、集合住宅の皆さんの署名を集めて再度、訴えてみよう。」と思いつきました。
しかし実際に署名運動をするとなると、ちょっとした勇気が必要です。
新参者が目立つことをするのを好まない人もいるかもしれません。
ガラス細工のような繊細なハートを持つ私は、そのうち取りかかろうと思いながらもなかなか重い腰をあげることができないでいました。
にも関わらず
自転車がまったく倒れなくなりました。
そう、不動産窓口に電話で訴えたあの日を境にです。
あいかわらず強風は続いていました。
今にして思うと、なんであの年はあんなに強風続きだったのだろうと不思議に思うほどです。
にも関わらず、
強風の翌朝、おそるおそる自転車置き場を見ると
本当に不思議でしたよ〜。
不思議すぎて、3箇所ある自転車置き場を毎回チェックしてましたが、どの置き場の自転車も1台も倒れてないんですから!
あの日を境に。
今日はこのへんで終わります。
この不思議な出来事はどういうこと?
次回に続きます。